舌の動きが悪くなると

月13日(木)

 頸動脈の手術を行った結果、舌の動きが悪くなり、想像もしていなったいろいろな部分に影響が出ました。それらをまとめてみます。

1 食べ物がうまく噛めない

 すでに何回も書いていますが、日頃食べ物を食べた時、口中で舌が食べ物を左右に動かし、それによって食べ物を前歯や奥歯で自由にかみ砕いていることが良く分かりました。

 ところが舌がうまく動かないために、口に入れた食べ物が入れた場所に留まり、いくら噛んでも同じ場所しか噛めないという現象が発生。

 また頬の筋肉と歯茎の間に食べ物が挟まることが多く、それを普段は舌でかきだして再び噛むということを自然に行っていたみたいですが、それも出来ない。

 もう食べ物を味わうどころではなく、如何に食べ物を舌で動かして、歯の間に入れるかということで苦労しました。結果的に、術後1週間程度はすべての食べ物をペースト状にしてもらい食べていました。

 しかし正直味は異なるものの、見た目はすべてペースト状のどろどろした食べ物ですから、毎食これだと5日もすれば飽きてきます。

 幸いに1週間後ぐらいから少しずつ舌の機能も回復し、二か月後の今は通常の食物も食べることが出来るようになっていますが、やはり口中の食べ物を噛み砕くという作業には不安を感じる毎日です。

 また食後の歯磨きも欠かせなくなりました。

2 呂律が回らない

 言葉というのは、声帯が振動し、その振動音を口中の形や舌の動きで加工することによって言葉となります。しかし口中の形はともかく、舌の動きが悪いと一つ一つの言葉の発音が悪くなります。

 結果的に発音がはっきりしない。ろれつが回らないということになり、術後から二か月経った今も、ろれつの回りにくさを感じています。

 言語聴覚士さんからは、舌の動きの回復訓練として「パタカラ」の発音練習や、舌の動きのトレーニング方法を教えてもらいましたが、毎日練習するということはなくなってしまいました。

 当然ながら、話好きなら自然に舌のトレーニングになるわけですが、日頃からそれほど話す機会もないので、生活に不便は感じませんが、たま〜に他人とコミュニケーションをとる必要もあるので、その時は苦労しています。

3 食べ物を飲み込みずらい

 食べ物や水を飲むときは、無意識に舌を動かしているようです。つまり舌の動きが悪くなると食べ物や水を飲み込みずらくなるということです。

 その結果は誤嚥の可能性が高くなるということで、気を付けないといけないなと感じました。ちなみに、食べ物だけでなく、食後に服用する錠剤でもその影響はありました。

 手術前は数粒を一緒に飲んでも問題なかったのですが、手術後は1錠ずつ飲まないと蒸せてしまいそうになり、これは二か月後の今も続いています。

4 フルートを吹きにくい

 手術前はフルートを演奏するのが趣味だったのですが、これがかなり演奏しずらくなりました。フルートの演奏そのものは舌の動きとあまり関係ないかなと思っていたのですが、退院して一か月後ぐらいに「試しに」と思って吹いてみて愕然。

 演奏中は口中に唾液が自然に流れているのですが、これまでは自然にそれを吸収していたみたい。しかし手術後は、その唾液を意識して飲み込まないと、演奏が続きません。

 我慢して吹いていると、口からたまった唾液が溢れてくる感じで、「これじゃあ演奏が出来ない」と感じ、練習意欲が著しく減退。それでも、練習すれば一種の舌のリハビリになるだろうと考え、時間のある時1時間程度吹いていますが、手術前との落差を感じるので、更に頑張ろうちう意欲が湧いてきません。

 長い目で見れば、舌の機能は少しずつ改善すると思われるので、今後も練習しようとは思っていますが、「今日もやるぞ」と気合を入れるのが大変です。
 


体重減少で体力低下


第4章 手術後


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