頸動脈狭窄を改善する手術の方法


 前ページからの続きです。

 再び待合室で大学病院への紹介状が出来上がるのをしばらく待って、それを受け取って、ちょっと地に足がつかないふわふわした足取りで会計を済ませ帰宅。


 息子にも事情を話し、「今後どうなるか分からないし、負担をかけるかもしれない」と伝えました。

 ちなみに詰まっている血管は左あごの下の首の部分。内頚動脈というそうで、この部分が狭窄した状態を表す病名が「内頚動脈狭窄症」と呼ぶようです。

 詰まっているのは「プラーク」と呼ばれているもので、どうやら脂肪とかコレステロール、血小板の塊といったものみたいです。
 
 で問題は、ここが詰まるとその先の脳に流れ込む血流が少なくなり、それによって脳の活動が影響を受け、影響を受けた部位によって手足の運動麻痺や感覚麻痺という状態が起こることがあるそうです。

 また問題はそれだけではなく、そのプラークが血液そのものに押し流されて、その先の脳の血管のさらに細い血管を詰まらせることもあるようです。

 というわけで、先日来感じていた左目の視野のにじみやふらつきの増加は、このプラークの蓄積がかなり深刻なものになっていたということを表すようです。

 では、これの治療はどうするのかというと、一番患者に負担がないのが薬物療法。これはいわゆる血液サラサラ薬と呼ばれる薬を服用して、その付近で血小板が固まらないようにしてそれ以上の悪化を食い止めるというもの。

 しかし私の場合は、すでにクモ膜下出血の再発防止のために毎日「バイアスピリン」という薬を服用していますし、狭窄度が大きいので今更薬を飲んでも遅いということになりそう。

 となると次の選択肢が手術。これは二種類あるようで、通常は腕または足の付け根の動脈から、細いチューブを入れて、頸動脈の患部部分まで達したところでチューブ先端を膨らませて、血管そのものを拡げて血流を回復させるというもの。

 ステント術と言うそうです。その時、固まっていたプラークはどうなるんだろうかということがちょっと気になりますが、これが最近は一般的みたい。

 もう一つが、首の頸動脈部分を切り開き、筋肉の隙間から患部の血管を露出させ、短時間その部分の血流を遮断し、その間に対象となる血管を縦に切り開き、何らかの方法でプラークを除去し、再びその血管を縫合するという、聞いただけでは神業的な手術です。

 なぜかと言えば、脳への血流を一時的に遮断するわけですから、切り開いてプラークを除去して、再び血管を縫合するという過程は短時間に行わなければなりません。(遅れれば脳細胞に酸素が供給されなくなり、その部分の機能が停止ということです)

 遅れればそれだけ脳への影響が大きい手術となります。しかもこれは直径5mm程度の血管に対する作業ですから、どうやら顕微鏡を見ながら行うみたい。

 まるでテレビドラマ、「ドクターX」の世界に入り込んだような手術で、ドクターの手腕による影響も大きい印象です。

 これらの中でどの方法を選ぶかを選択するためには詳しい検査が必要ということで、私はすぐにでも紹介状を持って大学病院に駆けつけたかったのですが、土日は緊急以外受け付けてもらえないということで、結局月曜を待つことになりました。




終活を意識


第2章 様々な検査


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