個室に到着

 一通りの説明のあと、最後に手術にかかわる危険性の説明がありました。当然ながら、通常は人間の急所と呼ばれる首の頸部を切り開くわけですから、それに伴う危険性はもちろんですが、手術がうまくいっても危険は残るみたい。

 その最たるものが、プラーク除去後血流が再開すると、それまで詰まっていた部分に大量の血液が流れ込むので、その分その先の脳内の血管への血流も増えるため、ここで脳出血を起こす可能性があるということです。

 そのため、手術後は一時的に血圧を普段より2割ぐらい下げる必要があるとのことで、降圧剤が増えるようです。

 それ以外に通常の感染症対策も必要という説明でした。その他細々とした危険性の説明もありましたが、それらの事象が発生する確率は0.5%程度という説明でした。

 また、そういった手術後の容体の変化を観察するため、手術後二日間は高度治療室(HCUと言っていた気がします)で療養し経過観察が必要。

 HCUとICUの違いは、患者の重症度。HCUの方がICUを利用する患者さんよりは症状が軽い。24時間体制で患者の病態を観察する必要はないという基準があるみたい。

 また対応する看護師さんの人数も、患者4人に対して看護師1人がHCU。ICUの場合は、患者二人に対して看護師が1人ということみたい。

 このHCUでの療養に問題がなければ、療養の二日目に一般病棟へ移動ということになります。更に手術後1週間で、経過に問題がなければ退院ということになるという説明を受けました。

 ちなみに、「血流が回復すればこれまで感じていた数々の体調不良は改善しますか?」という質問もしたのですが、基本的には「劇的な改善は無い」とのことでした。

 それを聞いてかなりがっかりしましたが、すでに血流不足でダメージを受けている脳細胞は、血流が回復しても再起しないということだと判断しました。

 とはいえ、手術前、手術直後、手術後にそういった不調がどのように変化するのかメモしておこうとは思ったので、以後体調変化を記録するようになりました。

 ちなみに、「手術後も血圧管理は真剣に取り組まないといけない」と何回も言われましたので、やはり日頃からの血圧管理は重要なんだなと感じました。

 一通りの説明が終わって、最後は手術同意書の署名を終えたら時刻は12時半を過ぎていました。

 だいぶお腹もすいていたのですが、とりあえず入院の手続きをしないといけないので、入院関連の受付へ。この間息子は手術内容の説明をちゃんと聞いていたようで、私に代わって質問もしていました。

 息子と共に入院の受付カウンターに行くと、受付待機の人が5〜6組いて、結局受付は1時過ぎ。

 「ようやく昼食だあ」と思ったのですが、「一度受け付けたら病院外には出られません」と言われてしまい、結局病院内のコンビニ弁当を購入。

 息子には「帰りがけに適当なお店に入って食事をして」と伝えて、ここで分かれて、私は弁当を持って入院病棟へ。

 今回も個室を希望しました。案内された部屋は、前回検査入院をした部屋の隣で、こちらの方が日当たりが良い感じです。着いたのが1時半。ようやく昼食です。

 傍らにあった椅子に座り、ベッド用のテーブルを引き寄せて食事。このテーブルは高さが調節できます。

 食後、持参した荷物の整理。洗面所関係のものや、当面の着替え(下着ぐらいですが)、室内で利用する上履き(スニーカーみたいなもの)等を取り出し、更に事前にレンタルしたポケットwifiや持参したノートパソコンをテーブル上へ。

 ポケッとwifiは、スイッチを入れてノートパソコン側のネットワーク設定で、ポケットwifiの説明書に書いてあったパスワードを入力すると、すぐに接続可能となりました。

 速さもそこそこ満足できるもので、ユーチューブの動画等の視聴も可能。ただ動画の視聴は容量をたくさん消費するのではと思ったので、主としてニュース等のチェックで利用です。


術前の様々な準備


第3章 手術


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