術前の様々な準備

 しばらくすると看護師さんが現れて、入院規則、今後の日程、手術の内容と流れについての説明書を持ってきてくれました。

 更に病室内で着用するパジャマ?(病院着)が渡され、「着替えてください」と言われました。しかし、これに着替えた瞬間、前回の検査時と同様に、自分が重病人になったように思えます。

 着替え後、「手術前に熟読しておいてください」と言われた、「手術についての流れ」や「麻酔について」という書類をを読んいると別の男性看護師さんが現れて、「時節柄PCR検査が必要です」と言われ、鼻の穴に長い棒を突っ込まれました。

 翌日結果を聞きましたが、幸い「陰性」でした。しかし陽性だとどうなるんでしょう?手術は中止となるのでしょうか?

 続いて「麻酔科の医師です」と自己紹介した医師が現れて、過去の麻酔の経験やアレルギーについての質問がありました。

 麻酔ですが、全身麻酔とのことで、これは気管に管を入れるため、手術後に痰が絡むことが多く、今回も手術後数日間痰や咳に悩まされました。

 それが終わると、またまた別の看護師さんが現れて、「採血します」とのことでした。この時は小さなガラス管4本分の採血となりました。

 割と痛みもなく、スムースな採血でしたが、4本目の血の流入が遅かったようで、ちょっと時間がかかった気がします。

 更にしばらくすると、今度は「薬剤師です」と名乗る方が現れて、普段から服用している薬についての質問です。

 私はそんなこともあろうかと、お薬手帳を持参していましたので、それを渡すとともに、今服用して入院中に必要かなと思って持参した薬をすべて渡しました。

 どうやら入院中は大学病院側で用意する薬を服用するようです。ちなみに誤飲を防ぐためか、入院期間中の服薬は、すべて毎回食後に看護師さんが必要量を持ってきてくれました。

 患者としては、渡された薬をそのまま飲むだけで楽なんですが、いつもと違う名前の薬が含まれていることもあり、もし用法用量が間違っていたら、患者としてチェックする方法がないなと感じました。

 ようやく一連の説明や採血が終わりホッとしたのもつかの間。またまた看護師さんが現れて、手術後二日間は「HCU」(高度治療室)に入ることになるので、この個室から一旦出ないといけません」という説明がありました。

 またこの看護師さんからはタオルが渡されて、「手術前にシャワーを浴びておいてください」と言われました。

 こうして改めて当日のメモをまとめなおしていると、よくもまあ次から次へと、人が入れ代わり立ち代わり表れていたんだなと感心します。

 ちなみにそれらの一連の説明を聞いていたら、なんかやけに疲れを感じたので、15時半ぐらいから、ちょっとベッドに横になって昼寝をしました。

 幸いその間に新たに話をしに来る看護師さんはいなかったので、割とよく眠れた感じ。結局1時間ほど寝て16時半にシャワー室へ。

 シャワー室から戻って、さっぱりしたところでテレビカードを購入。テレビのニュースを見ていたら、17時半ごろ、再び看護師さんが来て、手術後二日間お世話になるHCU室の細かい説明がありました。

 この部屋は術後の経過を見ながら、何か体調に異変があった時に迅速に対応できる部屋という位置づけのようです。

 ICUと違うのは、術後の経過観察が主体になるため、個別の部屋ではなく、何人かの患者さんが同室となります。

 あとで実際に経験しましたが、部屋全体はかなり広くて、10人ぐらいの患者さんが、通常の病室とは違って少し広めの間隔で過ごすようです。

 そういえば、クモ膜下出血の手術をしたときも、「最初に目覚めたのはHCUだったなあ」ということを思い出しました。

 ただクモ膜下出血の手術の時は、今回の手術よりも症状が重く、ほとんど意識のない状態で数日過ごしたような記憶があります。

 HCUの説明が終了したのが18時ごろで、ほぼ同時に夕食が運ばれてきました。この日のメニューは、メインのおかずがアジフライでした。

 動脈硬化による頸動脈狭窄で入院した患者が「油っぽいアジフライを食べていいのか?」とちょっと疑問を感じましたが、これを除くとあとは少量の野菜の煮物やサラダ程度なので、「まあいいか」という感じで完食です。

 19時には夕食終了ですが、夕食を片付けに来た看護師さんが来た以外、基本的に誰も来ません。

 テレビやスマホ、持参したノートパソコンでネットを見て時間つぶし。最後に持参した手首式の血圧計で血圧測定。旅行用に購入したものですが、割と正確。

 いつも使っている肘で測定する血圧計の数値をほとんど変わりません。オムロンの「HEM6022」という製品です。結果は112/70でした。

 更に持参したパルスオキシメーターで血中酸素濃度を測定。98%でした。「先ず先ずだな」と思いながら、早めの21時就寝です。


内頚動脈狭窄手術


第3章 手術


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