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さて周りの状況はどうだったのか。私が寝かされているベッドは、幸か不幸か一番端っこで、私の場所から認識できたのは、お隣と向かい、そして斜め向かいの人の3人のみ。
お隣は私よりちょっと年上の話好きの男性。病名は不明。比較的元気で、若い看護師さんとの会話を楽しんでいる感じ。翌日午前中に一般病棟へ移動。
向かいの人も私よりちょっと年上の男性。どうやら糖尿病みたい。血糖値を測定するための採血が行われていました。
この方も翌日午前中に一般病棟へ移動。斜め向かいの人は、同年代と思われる女性。ただこの方は麻酔の影響なのか、お漏らしが激しいみたい。
看護師さんは慣れたもので手早く対応しているようでしたが、その作業は想像するだけですが相当大変みたい。
しかもこの方、意識が清明な時と混濁している時の差が激しいみたい。調子の良いときは看護師さんとの会話がきちんと成り立っています。
しかし悪いときは、看護師さんの指示に対して、起きているのにほとんど反応なし。「こんなに差があるのか」と他人事ながら心配になりました。
その他、遠くの方からは、唸り声や勝手に歌う歌声も聞こえてきます。更に痰を嬌声的に吸引する機械の作動音や、それに伴って激しく咳き込む患者さんもいました。
また時には、多少動ける患者さんもいるようで、「これからコンビニに行って酒を買ってくる」と言って動き回る人もいるみたい。
そのたびに看護師さんは「まだ動いちゃだめです」とか、「ここは病院ですから酒は売っていません」と制止する声が聞こえてきます。
そういった様々な騒音?が聞こえてきて、その中を5名程度の看護師さんが忙しく動き回っているようで、なかなか用事があっても声をかけずらい雰囲気です。
夜寝静まっても、突然夢でも見たのか大声を上げる人もいました。そんな中、ほぼ仰向けの状態でうつらうつらの夜を過ごしましたが、困ったのが尿意。
「ベッドからほとんど動けない状態でどうするんだろう?」と悩んだ末看護師さんを呼び出すと、「気にしないでそのまま排出してください。尿道カテーテルが入っていますから」ということでした。
その時までカテーテルの存在は全く気が付いていませんでした。というわけで指示通り「なんかベッドを汚しそうだな」と思いながら排出。
最初は強烈な違和感がありましたが、慣れてくるといつでも寝た状態で排出できる感じ。「意外に便利じゃん」と感じました。
とはいうものの、比較的楽だなと思ったのは尿の問題だけで。一晩中周りの騒音に悩まされ、足を締め付ける器具の動きを感じて、喉には痰が絡み、ほとんど眠れず。
「この状態が明日も続くのかあ」とかなりがっくりしましたが、まあ「寝られるときはいつでも寝られるんだから、我慢するしかない」と自分を慰めていました。
そうこうするうちに少しずつ外が明るくなってきました。HCU滞在の二日目を向かえます。