尿道カテーテルが抜かれる

6月11日(金)

 ほとんど眠れない一晩でしたが、明け方過ぎにほんの少しですが寝返りを打てることが分かり、これによって痰の排出も楽になり、少しウトウトしたみたい。

 また看護師さんにお願いして、電動ベッドの利点を生かして、上半身を少し持ち上げてもらったのも効果的でした。

 その後、検温の時間があったと思うのですが、「勝手にやってくれ」という心境で、数値等の記憶がありません。

 しばらくすると看護師さんが来て、何の必要性があるのか不明ですが、「もう1本点滴を確保する必要があります」と言われ、点滴チューブが増えました。

 更に昼頃「CTを撮影する必要があります」と言われ、ベッドに寝たまま検査室へ移動。仰向けの状態での移動は、眼をあけていると天井が矢のように過ぎて行き、船酔い状態になるような印象です。

 というわけで、途中はほぼ目をつぶっていました。ちなみにその姿は、眼をつぶった状態でベッドに寝たまま,、他の患者さんが待っている通路を進むわけで、大変な重病人に見えるだろうなという感じです。

 実際、私自身多少元気な状態で通路に待機している時、眼の前をベッドに寝たままの患者さんが通過していくのを何回も見ていますので、「今は立場が逆になったな」と感じていました。

 検査室では数人がかりで持ち上げられ、ベッドから検査用ベッドに移動。その際、撮影のためには頭が少し下がる状態になってしまい、ただでも息苦しいので、係りの人に頼み込んで、少しだけ頭の部分を高くしてもらいました。

 というわけでなんとか撮影が終了し、再び数人がかりで病室用ベッドに移動し、無事元の病室に帰還。

 しばらくすると主治医が現れて、「CTの撮影を見ましたが、頸動脈内のプラークはきれいに除去され、血流が回復しています」とのことでした。

 要するに「手術は成功した」ということのようで、ようやく少し安心できました。

 更にCT撮影をするときは、足の加圧器具も外されていたのですが、検査終了後もはずされたままで、足の動きが楽になりました。

 夕方になると点滴の注射も1本を残して外され、ドンドン身軽になる感じ。また次にベッド脇に来てくれた若く美しい看護師さんが、「尿道カテーテルを外します」と宣言。

 「え?こんな若くてきれいな看護師さんに、私の股間を見られるのか?」と思いましたが、看護師さんはそういった状況に慣れているのか、実に明るい。

 テキパキと準備を進め、「じゃあ抜きます」と宣言した瞬間。私が躊躇う隙も与えずに、カテーテルを「グイっ」と引きます。

 「あ、痛い!」と感じたのは一瞬。実際には「チクリ」とした程度の痛みと共に、尿道内を管が動いて、「あ!」と思った瞬間抜けていました。

 尿道カテーテルは男性の場合、抜く時より入れる時の方が痛いと聞いていましたが、私の場合は、全身麻酔下で入れられていますから、それほど痛みもなく助かりました。

 このあたり、看護師さんの手早い動きにもよるのだと思います。患者の気持ちに配慮して、じわりじわりと抜いたのでは、かえって痛い思いをするのかもしれません。

 その後ベッドの傍らに置いてあった私物の中から下着を探し出して、狭いベッドの中で何とか履いて人心地が付いた感じ。

 残っているのは点滴が1本だけ。体の自由度が増し、この日の夜は比較的よく眠れました。ただ夜間頻尿の徴候もあって深夜にトイレへ。

 その際は必ず看護師さん付き添いの下で、10m程離れたトイレまで点滴台を杖代わりにしてゆっくり移動。

 トイレでは、立ったままだとちょっと体がフラフラするので、便座に腰を下ろして用を足しました。その後は再び看護師さんに見守られながら自分のベッドに移動。

 こんなことを明け方まで数回繰り返しましたが、トイレに行くたびに体力が戻ってきた感じが確認できました。

<


一般病棟の個室へ


第3章 手術


トップページへ